■ 茶筌・茶筅・茶せんの違いについて

当高山茶筌は、約500年の歴史が有り室町時代後期に茶道と共に奈良で生まれました。

 奈良高山は茶筌の故郷で現在でも国内産シェアー90%以上です。

 茶筌は茶道の創始者村田珠光に依頼されて苦心に苦心を重ね、高山領主の次男高山宗砌が作り上げたものですが、高山家滅亡後高山家の家臣の主だった者16名がこれを引き継ぎ一子相伝の秘伝として永々として継承してきたものです。私の先祖もその一人です。

 茶筅も間違いではなく、一般的にはこの字の方が多く使われておりますが、この字は筅『ささら』『ささら』に通じ『ささら』とは単に竹を割って紐等で縛っただけの物、桶、樽等を洗う道具、茶筅も物を洗う道具になってしまいます。

茶筌は物を洗うものではなく、お茶を点てる茶道具なのです。

 物を洗うだけなら何も竹を極細に割り、
それも紙の何分の1(
31004100ミリメートル)の厚さまで小刀で削り、穂先を曲げ、糸で編みあげ、その上綺麗に仕上げる必要はありません。

 茶筌の種類は約120種類、それぞれ形、穂立ち、素材が異なります。

 又、茶筌は見て綺麗で、使つて使いやすく、長持ちする事が肝要です。

 お茶を点てるためのみに作り上げ、それも美術品のように綺麗に仕上げたのは我々の先祖が元高山家の家臣としての誇り以外の何物でも有りません。

 先祖と我々は誇りを持ち、竹の性質の全てをほぼ完璧なまでに引き出し、作り上げた作品で有るという意味で、昔からこの茶筌という字を使っております。

茶筌は消耗品で有るが故、使い使われ、(みにく)くなって捨てられる、あたかも空気や水と同様、軽く見られがちでは有りますが茶筌無ければ、いかに高価な茶碗等があっても茶道が成り立たないのではないかと先生方の怒りに触れるのではと思いつつも信じて疑いません。

 そして茶道がある限り、いかなる時代が到来しようとも永々と500年間継承されてきた伝統技術を細く永く、子々孫々まで伝承していこうと考え、ただひたすらに、使う人の身になって使いやすく、長持ちするようにと念じながら黙々と今日も茶筌作りに勤しんでおります。

 以上の理由でこの茶筌の字を昔から用いておりますが皆様方も出来ればこの字をお使い頂ければ幸いです。

 なお、新聞等には常用漢字を使用との制約があるようで茶せんとプリントされる事も多いようです。


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